Core Concepts
TikTokの研究APIを使用して収集したランダムサンプルのデータを分析することで、プラットフォームの特性や課題について理解を深めることができる。
Abstract
本研究では、TikTokの研究APIを使用して2018年1月から2023年12月までの6年間にわたる動画のランダムサンプルを収集し、分析を行った。
まず、APIの性能評価を行った。APIは要求された動画の最大65%しか返さず、2018年の動画データが特に少ないことが分かった。これは内部システムの問題によるものと考えられる。
次に、時間的バイアスについて分析した。動画の投稿日時には偏りがあり、土曜日と週初めに多く投稿されていることが分かった。一方で、投稿時刻の分布は均一であった。
動画の相互作用指標(視聴数、いいね数、共有数、コメント数)の分析では、プラットフォームの成長に伴い、これらの指標が年々増加していることが明らかになった。
地域別の動画の割合を見ると、インド、インドネシア、アメリカが上位を占めており、アジア地域の動画が大半を占めていることが分かった。
さらに、「いいね」や「再生」を増やすことを目的とした「バイラル」ハッシュタグの使用が、実際に動画の相互作用指標を高めていることを示した。ただし、近年このような効果が減少傾向にあることも明らかにした。
最後に、陰謀論関連のハッシュタグの使用状況を分析したところ、全体としては低い割合ながら、一定数の動画が存在することが分かった。
以上の結果から、TikTokの研究APIを活用することで、プラットフォームの特性や課題について多くの知見が得られることが示された。ただし、APIの制限や動画の削除などの課題もあり、データの偏りに注意が必要である。
Stats
TikTokの研究APIを使用して収集した動画の総数は577,517件であった。
動画の投稿日時には偏りがあり、土曜日と週初めに多く投稿されていた。
動画の相互作用指標(視聴数、いいね数、共有数、コメント数)は年々増加傾向にあった。
動画の地域別の割合では、インド、インドネシア、アメリカが上位を占めていた。
「バイラル」ハッシュタグを使用した動画は、そうでない動画に比べ、視聴数といいね数が有意に高かった。