Core Concepts
本論文では、通信ネットワークにおける将来の未知の需要に対応するためのオンラインリソース予約問題を研究する。ネットワーク管理者は、サーバリソースを予約し、需要に応じてサーバ間でジョブを移動させることで、予約コストと違反コストを最小化することを目指す。提案するランダム化手順では、許容可能な予約集合上の確率分布列を用いて予約を決定し、オンラインサドルポイントアルゴリズムによりこの確率分布を導出する。理論的には、K-ベンチマーク後悔と累積制約違反の上界を導出する。
Abstract
本論文では、通信ネットワークにおけるオンラインリソース予約問題を扱う。ネットワークは N 台のサーバで構成され、ネットワーク管理者は各時間スロットで将来の需要に備えてサーバリソースを予約する。予約とジョブ移動には費用がかかり、需要に応えられない場合は違反コストが発生する。目的は、違反コストと移動コストの合計を一定の予算内に抑えつつ、予約コストを最小化することである。
提案手法では、予約を確率分布に基づいてランダムに決定する。具体的には、許容可能な予約集合上の確率分布列を用いて予約を行い、オンラインサドルポイントアルゴリズムを用いてこの確率分布を導出する。理論的には、K-ベンチマーク後悔と累積制約違反の上界を導出した。
数値実験では、提案手法と簡単な決定論的な割り当て手法を比較した。提案手法は、時間平均の制約違反と1-ベンチマーク後悔の点で優れた性能を示した。一方、T-ベンチマーク後悔については、理論的な上界が2次関数となるものの、実験結果では線形の後悔が得られた。この点については今後の検討課題としている。
Stats
予約コスト CR(A) ≤ Θ
移動コスト CT(A, b) ≤ Θ
違反コスト CV(A, b) ≤ Θ