Core Concepts
グラフの最大独立集合の認識に関する計算量の複雑さを解明し、その上位クラスの問題の複雑さも明らかにした。
Abstract
本論文では、グラフの最大独立集合の認識に関する計算量の複雑さを解明している。
まず、Wk-階層と呼ばれる最大独立集合の一般化について調査した。Wk-グラフは、任意のk個の互いに素な独立集合に対して、それぞれを含む最大独立集合が存在するグラフである。Wk-グラフの認識が共NP困難であることを示した。
さらに、k-extendable(s-extendable)グラフの認識問題の複雑さを明らかにした。k-extendableグラフとは、サイズがk以下の任意の独立集合が最大独立集合に含まれるグラフである。s-extendableグラフは、サイズがs以下の任意の独立集合が最大独立集合に含まれるグラフである。k-extendableグラフの認識はΘp
2-完全であることを示した。
また、コード木を持つコーダルグラフについて、Wkグラフとs-extendableグラフの認識が線形時間で行えることを示した。一方で、s-extendableコーダルグラフの認識はコW[2]困難であることも明らかにした。
最後に、三角形を含まないグラフの最大独立集合の認識問題や、well-covered(最大独立集合が最大化される)グラフとco-well-covered(補グラフも最大独立集合が最大化される)グラフの認識問題など、今後の課題についても言及した。