Core Concepts
世界中のニュースメディアは、COVID-19 パンデミックの開始時に、国や地域によって大きく異なる報道内容を提供していた。国の特性によってニュースの同期化と多様性が大きく異なることが明らかになった。
Abstract
本研究では、60 万件以上のニュース記事を分析し、COVID-19 パンデミックの開始時における世界的なニュースの同期化と多様性を明らかにした。
まず、ニュース記事の類似性を高精度に推定するための多言語ニュース類似性モデルを開発した。次に、ニュースの類似性ネットワークを構築し、ネットワーククラスタリングによって4,357 件のグローバルなニュースイベントを検出した。
各国のニュース報道の分布を、検出したニュースイベントを基に分析した。国内のニュース多様性は、インターネット普及率、公用語数、宗教多様性、所得格差、人口規模などの国の特性によって大きく異なることが明らかになった。一方、国家間のニュース同期化は、貿易量、軍事同盟、共通言語、GDP、民主主義指数などの要因によって説明できることが示された。
本研究の手法は、膨大なニュースデータを効率的に分析し、国際関係やメディア研究における新たな知見を提供するものである。今後、長期的な分析や特定の事象に焦点を当てた研究など、様々な応用が期待できる。
Stats
世界中で 60 万件以上のニュース記事が分析された
4,357 件のグローバルなニュースイベントが検出された
124 か国、10 言語のニュース記事が含まれていた
Quotes
"ニュースメディアが報道する出来事を選択することで、公衆の認識、理解、議論に大きな影響を与える。"
"国内のニュース多様性は、インターネット普及率、公用語数、宗教多様性、所得格差、人口規模などの国の特性によって大きく異なる。"
"国家間のニュース同期化は、貿易量、軍事同盟、共通言語、GDP、民主主義指数などの要因によって説明できる。"