Core Concepts
仮想現実(VR)アプリケーションにおける自己アバターの全身ポーズ再構築は、VRデバイスからの疎なモーションデータと外部カメラから推定された3Dカルテシアン座標を組み合わせることで実現できる。しかし、これらのデータソース間の非同期化や、姿勢推定アルゴリズムの限界から生じるアーティファクトが、アバターの自然な動きの再現を阻害する。
Abstract
本研究では、自己アバターの全身ポーズ再構築における以下の課題について分析を行った:
VRデバイスからのモーションデータと3Dカルテシアン座標の間の遅延
両データソースの取得レートの差異
3Dカルテシアン座標推定時のオクルージョンや低精度
具体的には、これらのアーティファクトを人為的に付与したデータを用いて、アバターポーズ推定モデルの性能を評価した。その結果、モデルはこれらの課題に対して非常に敏感であり、特に速度の再現精度が大きく低下することが明らかになった。
また、YOLOv8を用いて実際の3Dカルテシアン座標を推定し、その精度が低い場合のモデル性能も検証した。この結果からも、モーションデータの品質が全身ポーズ再構築に大きな影響を及ぼすことが示された。
本研究の知見は、VR環境における自然な自己アバターアニメーションを実現するための課題と方向性を示唆している。
Stats
VRデバイスからのモーションデータと3Dカルテシアン座標の間の遅延は2フレーム、4フレーム、6フレームの3パターンを検証
3Dカルテシアン座標の取得レートは、VRデバイスの2倍、3倍、4倍の3パターンを検証
3Dカルテシアン座標にガウシアンノイズを付与し、標準偏差を1cm、2cm、5cmの3パターンを検証
3Dカルテシアン座標のオクルージョン確率を0.01、0.05の2パターンを検証