Core Concepts
共同作業型拡張現実体験において、ユーザー間で認識される仮想オブジェクトの違いは、コミュニケーションと協力に大きな影響を与えない。一方で、ユーザーの位置の同期が重要な要因となり、アバターの有無はそれほど大きな影響を及ぼさない。
Abstract
本研究は、共同作業型拡張現実(AR)体験におけるユーザー間の仮想オブジェクトの認識の違いが、コミュニケーションと協力に及ぼす影響を調査した。
実験では、2つの比較を行った。
1つ目の比較では、ユーザー間で認識される仮想オブジェクトが同一か異なるかを操作し、それがコミュニケーションと協力にどのような影響を及ぼすかを検討した。結果、ユーザー間の認識の違いは直接的にコミュニケーションと協力に影響を与えないことが示された。むしろ、ユーザーの位置の同期が重要な要因であり、同期がある場合の方が協力体験の質が高かった。
2つ目の比較では、ユーザーの位置の同期とアバターの有無を操作し、それらがオリエンテーションと協力に及ぼす影響を検討した。結果、ユーザーの位置の同期が重要な要因であり、アバターの有無はそれほど大きな影響を及ぼさないことが示された。
これらの知見は、今後の共同作業型AR/VR環境の設計に役立つ実践的な洞察を提供すると考えられる。
Stats
ユーザーの位置が同期している場合の体験評価の平均値は2.678であり、非同期の場合は1.962であった。
アバターを使用した場合の体験評価の平均値は2.42、使用しない場合は2.23であった。
Quotes
"同期した環境の方が非同期の環境よりも有意に高く評価された。"
"アバターの使用の有無は状況によって異なる評価となった。同期環境ではアバターの評価が低く、非同期環境ではアバターの評価が高かった。"