Core Concepts
ブロックチェーン上のポンジスキームを自動的に検出するための分類器を提案し、新しい特徴量の導入によってその性能を向上させた。また、説明可能な人工知能手法を用いて、分類に最も寄与する特徴量を特定した。
Abstract
本論文では、イーサリアムにおけるスマートポンジ契約を自動的に検出するための分類器を提案している。まず、4,422件の実世界のスマート契約からなるデータセットを公開し、そのうち15.22%がポンジ契約であることを示した。次に、既存の手法よりも優れた性能を持つ分類器を構築した。特に、新たに導入した9つの特徴量を用いることで、分類精度が向上することを示した。
さらに、説明可能な人工知能手法を用いて、分類に最も寄与する特徴量を特定した。その結果、入力トランザクション数、投資額とトランザクション数の比率、契約の寿命といった特徴量が重要であることが分かった。これらの特徴量は、ポンジ契約の特徴であるR1-R4の要件を捉えていることが確認できた。
最後に、最良の分類器の特性を分析した。ポンジ契約は、短い寿命、少ない入力トランザクション数だが高額の投資、一部の参加者への支払いといった特徴を持つことが明らかになった。
Stats
ポンジ契約の寿命は短い傾向にある。
ポンジ契約は入力トランザクション数が少ないが、1トランザクションあたりの投資額が高い。
ポンジ契約は一部の参加者にのみ支払いを行う傾向がある。
Quotes
"ブロックチェーン技術は新しい経済アプリケーションの展開に成功してきたが、悪意のある行為者の関心を引き付けるようになった。ポンジスキームはその代表的な詐欺行為の1つである。"
"ポンジ契約の最も重要な特徴は、参加者への配当の再分配方法である。これを特定することが分類の鍵となる。"