Core Concepts
ハードウェアランダムナンバージェネレータを使用して、擬似乱数生成器の欠陥のない高品質のランダムな数値を高速に得ることができる。
Abstract
本論文では、光子検出器を使用したハードウェアランダムナンバージェネレータの設計と、その出力データの品質を評価するための分析手法について説明している。
まず、光子検出器として光電子増倍管(PMT)とマルチピクセル光子検出器(MPPC)の2つのセットアップを紹介している。これらのセットアップから得られるデータを処理するために、High/Lowメソッドと Even/Oddメソッドの2つの手法を提案している。
次に、これらのデータ処理手法の出力品質を評価するために、以下の3つのテストを実施している:
算術平均と標準偏差(AMSD)テスト
モンテカルロπ推定(MCPE)テスト
分数線対称性(FLS)テスト
FLSテストは本プロジェクト用に新たに開発されたテストで、ビットストリームを2次元画像に変換し、水平および垂直方向の連続ビットの数を比較することで、ランダム性を評価するものである。
最後に、今後の計画として、大量のサンプルデータの収集と分析、MPPC+Arduinoシステムの改善などが述べられている。
Stats
理想的な AMSD テストの結果は、ビットストリームの平均が0.5、標準偏差が0.5に近い値となる。
理想的な MCPE テストの結果は、πの値を数値的に正確に推定できる。
FLS テストでは、ビットストリームの長さと検出長から、理論的に予想される水平および垂直方向の連続ビットの数を計算することができる。