Core Concepts
拡張現実環境における安全で使いやすい認証方式を実現するため、視線と脳波のマルチモーダル生体認証システムを提案し、その有効性を実証した。
Abstract
本研究は、拡張現実(XR)環境における安全で使いやすい認証方式の実現を目的としている。従来の認証方式は没入感を損なったり、偽受理率が高いという課題があった。そこで本研究では、視線と脳波のマルチモーダル生体認証システムを提案し、その有効性を検証した。
実験では、30人の参加者から視線と脳波データを同期収集し、ツインニューラルネットワークを用いて特徴抽出と照合を行った。結果、視線単体では等誤り率(EER)が1.82%、脳波単体では4.92%だったのに対し、スコア融合手法を用いると0.298%まで改善された。これは視線単体に比べ83.6%、脳波単体に比べ93.9%の誤り率低減に相当する。
また、瞳孔径を特徴量に含めることで、さらに認証精度が向上することが分かった。一方で、ユーザ個別の最適閾値を設定する手法が、固定閾値よりも優れていることが示された。
本研究の成果は、XR環境における安全で使いやすい認証方式の実現に貢献するものである。視線と脳波のマルチモーダル生体認証は、没入感を損なわず、高い認証精度を実現できる有望な手法といえる。
Stats
視線単体の等誤り率は1.82%である。
脳波単体の等誤り率は4.92%である。
スコア融合手法(平均)を用いると等誤り率は0.385%まで改善された。
スコア融合手法(積)を用いると等誤り率は0.298%まで改善された。
Quotes
視線単体の認証では等誤り率が1.82%であるのに対し、スコア融合手法(積)を用いると0.298%まで改善された。
脳波単体の認証では等誤り率が4.92%であるのに対し、スコア融合手法(積)を用いると0.298%まで改善された。