Core Concepts
深度情報を考慮した簡易な歪みモデルを提案し、その簡易な較正方法を開発した。これにより、ステレオビジョンシステムの測定精度を大幅に向上させることができる。
Abstract
本研究では、ステレオビジョンシステムの測定精度を向上させるために、深度依存の歪みモデルを提案した。従来の深度依存歪みモデルは複雑で、較正も煩雑であった。
提案した最小パラメータ深度依存歪みモデル(MDM)は、レンズの径方向歪みと偏心歪みを考慮し、較正プロセスを簡略化した。MDMの較正には、一般的な平面パターンを用いるだけで良く、カメラを平面パターンに対して垂直に調整する必要がない。
実験結果より、MDMは従来の歪みモデルと比べて、較正精度を56.55%および74.15%向上させることができた。また、MDMに基づく反復的な3D再構成手法を提案し、従来手法に比べて9.08%の精度向上を実現した。
Stats
レンズ歪みモデルの較正誤差は、Brown's モデルが167.5 μm、Li's モデルが79.0 μm、提案のMDMが35.3 μmであった。
較正時間は、Brown's モデルが342秒、Li's モデルが1328秒、提案のMDMが351秒であった。
Quotes
"深度情報が大きく影響するため、従来のモデルを用いると、近距離撮影における視覚計測システムの精度が低下する。"
"提案手法は、平面パターンに対してカメラを垂直に調整する必要がなく、簡単で柔軟な較正が可能である。"