Core Concepts
イベントデータを活用し、スパイキングニューラルネットワークを用いた低電力かつ高精度なアイトラッキングアルゴリズムRetina
Abstract
本研究では、ニューロモーフィックシステムを活用したアイトラッキングの新しいアプローチを提案している。
まず、DVSカメラを使用して収集した30人分のイベントベースのアイトラッキングデータセットIni-30を紹介する。このデータセットは、従来のデータセットと比べて、より自然な眼球運動を捉えており、時間的な変動性も高い。
次に、提案するRetina アルゴリズムについて説明する。Retina は、統合発火ニューロンを用いたスパイキングニューラルネットワークで構成され、時間畳み込みフィルタを使ってスパイクを連続値に変換する。Retina は、従来手法と比べて精度が高く(3.24ピクセルの誤差)、計算量も大幅に削減されている(3ET手法の35分の1のMAC演算)。
最後に、Retina をニューロモーフィックプロセッサSpeckに実装し、電力消費(2.89-4.8mW)、レイテンシ(5.57-8.01ms)の評価を行っている。これにより、提案手法がエッジデバイスでの実用性の高いアイトラッキングソリューションであることを示している。
Stats
提案手法Retina の誤差は3.24ピクセルであり、従来手法3ETの20%改善
Retina は3ETと比べて、MAC演算が35倍削減されている
Quotes
"Retina は、従来手法と比べて精度が高く(3.24ピクセルの誤差)、計算量も大幅に削減されている(3ET手法の35分の1のMAC演算)"
"Retina をニューロモーフィックプロセッサSpeckに実装し、電力消費(2.89-4.8mW)、レイテンシ(5.57-8.01ms)の評価を行っている。これにより、提案手法がエッジデバイスでの実用性の高いアイトラッキングソリューションであることを示している。"