Core Concepts
本論文では、ICAO規格に準拠した高品質な合成顔写真データセット「ONOT」を紹介する。AIベースの生成モデルを活用し、プライバシーの問題や偏りのある従来のデータセットの課題を解決している。
Abstract
本論文では、ICAO規格に準拠した高品質な合成顔写真データセット「ONOT」を紹介している。
まず、AIベースの生成モデルを使って、プライバシーの問題や偏りのある従来のデータセットの課題を解決することを目的としている。具体的には、ISO/IEC 39794-5規格に基づいて、正面向き、均一な背景と照明、中立な表情、影のない顔写真を生成している。
データセット作成の手順は以下の通り。
初期の15,000の擬似クラスを定義し、Stable Diffusion 1.5を使って64枚の顔写真を生成する。
商用のICAO SDKを使って、ISO/ICAO準拠の画像を選別する。
同一人物の画像群が一貫した同一アイデンティティを持つことを確認する。
異なる擬似クラス間で十分に異なるアイデンティティを持つことを確認する。
最終的に、55、125、255の異なるアイデンティティを持つ画像が得られた。データセットには、性別、民族、年齢、顔の特徴などの多様性が含まれている。
本データセットは、電子旅券の顔写真分析に関する研究分野、特にモーフィング攻撃検出やフェイス品質評価などで有用である。また、データ生成手順の詳細も公開しており、再現性と拡張性に優れている。
Stats
最終的に55、125、255の異なるアイデンティティを持つ画像が得られた。
生成した15,000の擬似クラスのうち、4,032のクラスがICAO準拠であった。