Core Concepts
大規模言語モデルを活用して、学生の入力や議論の文脈に応じた反省的思考を促す動的なフィードバックを提供することで、コンピュータ支援協調学習を支援する。
Abstract
本研究では、大規模言語モデルを活用して、学生の入力や議論の文脈に応じた反省的思考を促す動的なフィードバックを提供することで、コンピュータ支援協調学習を支援する手法を提案している。具体的には、大学レベルのクラウドコンピューティングコースにおける、データベース設計のクエリ最適化タスクを対象として、ChatGPTを用いて状況に応じた反省的思考のトリガーを生成している。
研究では以下の点を示している:
大規模言語モデルを用いて、学生の議論の文脈に合わせて高度に状況化された反省的思考のトリガーを生成できることを実証した。
反省的思考のトリガーの設計空間を探索し、学習目標との対応関係を分析した。
34名の学生を対象とした試験的な導入において、反省的思考のトリガーが学習に与える影響を分析した。
結果として、反省的思考のトリガーの導入は、タスクの完了率に一時的な影響を与えたものの、学習成果には有意な影響は見られなかった。今後の課題として、学生の参加意欲の向上、反省的思考のトリガーの文脈適合性の向上、可読性の改善などが挙げられている。
Stats
学生34名のうち、91.17%がタスク1を、85.29%がタスク2を、58.82%がタスク3を完了した。
反省的思考のトリガーの導入は、早期のタスク完了率を低下させたが、後半の難しいタスクの完了率を高めた。
学習成果については、反省的思考のトリガーの有無による有意な差は見られなかった。
Quotes
"大規模言語モデルを活用して、学生の入力や議論の文脈に応じた反省的思考を促す動的なフィードバックを提供することで、コンピュータ支援協調学習を支援する手法を提案している。"
"反省的思考のトリガーの導入は、タスクの完了率に一時的な影響を与えたものの、学習成果には有意な影響は見られなかった。"