Core Concepts
可変温度しきい値を用いることで、TASアルゴリズムの温度制御性能を向上させることができる。
Abstract
本研究では、可変温度しきい値を用いたThermal-Aware Scheduling (TAS)アルゴリズム「VTF-TAS」を提案している。従来のTASアルゴリズムであるPOD-TASは、静的な温度しきい値を使用するため、最適な温度しきい値を見つけるための高コストな探索が必要であった。
VTF-TASでは、流体スケジューリングの概念を用いて、スケジューリング中に温度しきい値を動的に最適化することで、この問題を解決している。具体的には、以下のような特徴を持つ:
CPU コアの状態を「冷たい」と「熱い」の2つに分類し、状態遷移を管理する。
タスクの割り当てと温度しきい値の更新を統合的に行う。
温度しきい値の更新には、タスクの実行状況を表す流体スケジューリングのヒューリスティックを使用する。
評価の結果、VTF-TASはPOD-TASと比べて、ピーク温度を約1.5°C低減できることが示された。また、高コストな探索を必要とせずに、適応的に温度しきい値を管理できることが確認された。
Stats
タスクの残り実行時間が期間末に到達する場合、温度しきい値の更新を抑制する必要がある。
タスクの実行率が流体実行率よりも速い場合、温度しきい値を下げる必要がある。
タスクの実行率が流体実行率よりも遅い場合、温度しきい値を上げる必要がある。
Quotes
「VTF-TASは、高コストな探索を必要とせずに、適応的に温度しきい値を管理できる」
「VTF-TASはPOD-TASと比べて、ピーク温度を約1.5°C低減できる」