Core Concepts
教育現場でジェネレーティブAIを効果的かつ倫理的に活用するためのフレームワークを提案し、そのフレームワークに基づいて開発された「Feedback Copilot」ツールの評価結果を示す。
Abstract
本研究では、教育現場におけるジェネレーティブAIの活用に関する課題を整理し、それらに対処するためのフレームワークを提案した。このフレームワークは、教育タスクの選定、ペダゴジカルな枠組みの選択、評価基準の設定、データ・AIモデル・プロンプティングの選定といった設計面と、ユーザーインターフェースの設計、プロンプト生成、出力の検証、最終出力の生成といったユーザー体験面から構成される。
提案されたフレームワークに基づいて開発された「Feedback Copilot」ツールは、教師が学生の課題に対してパーソナライズされたフィードバックを生成するのを支援する。このツールは、教師が課題、サンプル解答、採点済みの学生の提出物、およびフィードバックの評価基準を入力すると、自動的にフィードバックを生成し、教師がその品質を確認・修正できるようになっている。
ツールの評価では、より高度なプロンプティングを行う「Feedback Copilot」の方が、基本的なプロンプティングを行う場合に比べ、生成されたフィードバックの質が高いことが示された。また、成績の低い学生に対するフィードバックの質が相対的に低いことも明らかになった。これは、教師による監視と介入の重要性を示唆している。
本研究の成果は、教育現場におけるジェネレーティブAIの活用を促進し、ユーザー中心のAIアプリケーション設計の方向性を示唆するものである。
Stats
338人の学生の課題に対して生成されたフィードバックを分析した
成績の低い学生に対するフィードバックの質が相対的に低かった