Core Concepts
本研究は、データ辞書から得られる情報を利用して、高レベル要件間の矛盾を分析し、識別する方法を提案する。この方法は、高レベル要件を論理式に変換し、SAT ソルバーを使用して徹底的に検査することで、矛盾を検出することを目的としている。
Abstract
本研究は、航空システム開発プロセスにおける高レベル要件の一貫性確保に焦点を当てている。DO-178C 規格では、ソフトウェア検証プロセスにおける要件の一貫性確保が義務付けられている。しかし、複雑なソフトウェアシステムでは、時間の経過とともに要件が矛盾する可能性がある。これらの矛盾を早期に検出することは、ソフトウェア開発プロセスの円滑な進行に不可欠である。
本研究では、データ辞書の情報を利用して高レベル要件を論理式に変換し、SAT ソルバーを使用して矛盾を検出する方法を提案している。この方法は、DOORS との統合を通じて実装されており、要件の論理式への変換にはANTLR4を使用している。さらに、Jenkins を使ってこの分析プロセスを自動化し、矛盾分析レポートを生成している。
評価の結果、提案手法は、高レベル要件の矛盾検出プロセスにおいて大幅な時間短縮を実現できることが示された。特に、操作が別の要件の条件となる場合の矛盾を発見することができた。一方で、自然言語で記述された要件の変換には課題があり、今後NLPの導入を検討する必要がある。
Stats
要件の論理式変換には ANTLR4 を使用
SAT ソルバーを使用して矛盾検出を実施
Jenkins を使って自動化分析プロセスを実現
25 件の要件を 25 秒以内に分析し、6 件の矛盾を検出
Quotes
"DO-178C は、ソフトウェア検証プロセスにおける要件の一貫性確保を義務付けている。"
"複雑なソフトウェアシステムでは、時間の経過とともに要件が矛盾する可能性がある。"
"提案手法は、高レベル要件の矛盾検出プロセスにおいて大幅な時間短縮を実現できる。"