Core Concepts
ディスクグラフにおける最大クリークを効率的に計算する新しい手法を提案する。特に、ディスクの半径が k種類しかない場合や、ボールの中心が r平面上にある場合に、多項式時間アルゴリズムを与える。
Abstract
本論文では、ディスクグラフにおける最大クリークの計算に関する新しい手法を提案している。
まず、ディスクの半径が k種類しかない場合について考える。アルゴリズムの概要は以下の通り:
k種類の半径のうち、最大クリークに含まれる可能性のある半径の組み合わせを全て試す(2^k通り)。
各組み合わせについて、最大クリークを求める。具体的には、
各半径の左端と右端のディスクを特定する
それらのディスクを含む上スラブと下スラブを考え、それらに含まれるディスクが互いに隣接することを示す
上スラブと下スラブに含まれるディスクの集合が最大クリークとなる
2.で得られた最大クリークの中から最大のものを出力する。
この手法により、ディスクの半径が k種類の場合、O(2^k n^2k poly(n))時間で最大クリークを求められることを示す。特に k=2の場合、多項式時間アルゴリズムが得られ、これまでの未解決問題が解決される。
次に、ボールの中心が r平面上にある場合について考える。アルゴリズムの概要は以下の通り:
k種類の半径のうち、最大クリークに含まれる可能性のある半径の組み合わせを全て試す(2^k通り)。
各組み合わせについて、最大クリークを求める。具体的には、
各半径の各平面上の左端と右端のボールを特定する
それらのボールを含む拡張下包絡と拡張上包絡を考え、それらに含まれるボールが互いに隣接することを示す
拡張下包絡と拡張上包絡に含まれるボールの集合が最大クリークとなる
2.で得られた最大クリークの中から最大のものを出力する。
この手法により、ボールの中心が r平面上にある場合、O(2^k n^2rk poly(n,r))時間で最大クリークを求められることを示す。特に k,rが定数の場合、多項式時間アルゴリズムが得られる。
さらに、単位ディスクの場合について、長方形範囲クエリに対する最大クリークを効率的に求める手法も提案している。