Core Concepts
オンラインプラットフォームにとって、マーケティングは高コストな活動の1つです。顧客数の増加に伴い、効果的なマーケティング戦略を立てるためには、顧客の動的な行動を理解することが重要です。顧客セグメンテーションは、顧客を異なるカテゴリーにグループ化し、各グループに個別にマーケティング戦略を立てる手法として広く使われています。本論文では、RE-RFMEと呼ばれる顧客セグメンテーションのパイプラインを提案しています。これは、顧客の行動的特徴を追跡するための新しいRFME (Recency, Frequency, Monetary, Engagement)モデルに基づいています。最終的に、K-meansクラスタリングアルゴリズムを使って、顧客を4つのカテゴリー(高価値、有望、要注意、要活性化)に分類しています。
Abstract
本論文では、オンラインの不動産プラットフォームにおける顧客セグメンテーションのための新しいパイプラインであるRE-RFMEを提案しています。
まず、RFME (Recency, Frequency, Monetary, Engagement)モデルを提案しています。これは、顧客の行動的特徴を以下のように定義しています:
Recency: 最後にプラットフォームにアクセスした日数。値が小さいほど、プラットフォームへの訪問が多い。
Frequency: 過去45日間のセッション数(訪問数)。値が大きいほど、プラットフォームへの訪問が多い。
Monetary: 過去45日間の物件詳細ページ閲覧数と問い合わせ数の加重和。値が大きいほど、プラットフォームでの活動が活発。
Engagement: 過去45日間のフィルター適用、物件詳細ページ閲覧、問い合わせ、お気に入り登録などのセッション数の合計。値が大きいほど、プラットフォームでの活動が活発。
次に、この4つのRFME特徴量を使ってK-meansクラスタリングを行い、顧客を4つのカテゴリーに分類しています:
高価値顧客: RFMEスコアが全体的に高い顧客。マーケティング施策の中心的な対象。
有望顧客: Recencyは高いが、FMEスコアがやや低い顧客。プロパティの提案などでアップセルの対象。
要注意顧客: Recencyは高いがFMEスコアが低い顧客。電話でのフォローなどが必要。
要活性化顧客: RFMEスコアが全体的に低い顧客。広告などでプラットフォームの認知度向上が必要。
最後に、提案手法をWebとアプリのデータセットに適用し、その有効性を示しています。
Stats
過去45日間の平均セッション数は、高価値顧客が57、有望顧客が20、要注意顧客が4、要活性化顧客が3。
過去45日間の平均物件詳細ページ閲覧数と問い合わせ数の加重和は、高価値顧客が242、有望顧客が73、要注意顧客と要活性化顧客がともに7。
過去45日間の平均エンゲージメントスコアは、高価値顧客が77、有望顧客が25、要注意顧客と要活性化顧客がともに3。