Core Concepts
表形式データは多くの分野で主要な形式であるにもかかわらず、ほとんど研究の注目を集めていない。大規模表形式基盤モデルの開発は、データサイエンスの自動化、少量データでの学習、合成データの生成など、多くの可能性を秘めている。
Abstract
この論文では、表形式データを扱う大規模基盤モデル(Large Tabular Model、LTM)の重要性について議論している。
まず、LTMの定義と必要な特性について説明する。LTMは、大規模なデータセットを使って自己教師学習で事前学習され、様々なタスクに適応できる必要がある。具体的には、混在した型の列の処理(D1)、異なるデータセット間のモデリング(D2)、テキストコンテキストの活用(D3)、列順序に対する不変性/等変性(D4)などが求められる。
次に、現状の関連研究を概観する。表形式データの表現学習、教師あり学習、生成学習の取り組みが紹介されるが、いずれも大規模化や汎用性の点で限界がある。特に、大規模言語モデル(LLM)をそのまま表形式データに適用するのは適切ではない。
LTMの潜在的な応用例として、責任あるAIの実現(公平性、プライバシー、再現性の向上など)や科学研究の支援(メタ分析、異分野データの統合、データサイエンティストの支援など)が挙げられる。
最後に、LTMの構築における課題(大規模生成モデルの構築、データの多様性と品質、適切な評価方法の確立、バイアスの問題)について議論する。
LTMは、LLMと比べて研究者にとってより手の届く範囲にあり、大きなインパクトを持つ可能性がある。表形式データの重要性を考えると、LTMの研究は喫緊の課題であると結論付けられる。
Stats
表形式データは多くの分野(医療、金融、自然科学など)で主要な形式である。
表形式データのマシンラーニングは、テキストやビジュアルデータに比べて大きく立ち遅れている。
現在の表形式データベンチマークでは、XGBoostなどの従来手法が最高性能を示すことが多い。
大規模なデータセットと大規模モデルを使った研究は非常に限られている。
Quotes
"表形式データは、多くの分野で主要な形式であるにもかかわらず、ほとんど研究の注目を集めていない。"
"大規模表形式基盤モデルの開発は、データサイエンスの自動化、少量データでの学習、合成データの生成など、多くの可能性を秘めている。"
"表形式データのマシンラーニングは、テキストやビジュアルデータに比べて大きく立ち遅れている。"