Core Concepts
本論文では、APRIL (Approximating Polygons as Raster Interval Lists)と呼ばれる新しい中間フィルタ手法を提案する。APRILは、従来の手法と比べて簡単で、格段に少ないスペースを占有し、同等の絞り込み効果を持ちながら、はるかに高速に動作する。
Abstract
本論文では、空間交差結合の重要な演算について研究している。空間交差結合は、2つの空間オブジェクトコレクション(例えば、ポリゴン)を入力とし、それらの間で共通点を持つペアを見つける演算である。
フィルタリングステップでは、最小境界矩形(MBR)の交差を見つけ、精密化ステップでは正確な幾何学的検証を行う。精密化ステップが空間結合評価の bottleneck となる。
本論文では、APRIL と呼ばれる新しい中間フィルタを提案する。APRIL は、オブジェクトの幾何学を「ラスター間隔リスト」で近似する。従来手法と比べ、APRIL の近似は単純で、はるかに少ないスペースを占有し、同等の絞り込み効果を持ちながら、はるかに高速に動作する。
APRIL は、ポリゴン間の交差結合だけでなく、ポリゴンの範囲検索、ポリゴン内結合、ポリゴンと線分の結合にも直接適用できる。さらに、軽量な圧縮技術を適用することで、オブジェクトのMBRよりも小さなスペースを占有できる。
APRIL は、ポリゴンを完全にラスタライズすることなく、その近似を効率的に計算する新しいアルゴリズムも提案する。
実験評価では、APRIL が従来の最先端中間フィルタと比べて、3.5倍から8.5倍高速で、2倍から8倍少ないスペースを占有し、前処理コストが桁違いに低いことを示している。また、APRIL を使うことで、エンドツーエンドの空間結合コストを最大71%削減できることを示している。
Stats
空間オブジェクトの平均頂点数は25.4から2285.0の範囲
空間オブジェクトのMBR平均面積は4.03E-05から3.95E-01の範囲