Core Concepts
個人の人種情報が得られない場合でも、姓と居住地の情報を用いることで、人種格差を正確に推定することができる。
Abstract
本論文では、個人の人種情報が得られない場合の人種格差の推定方法について提案している。
従来の方法では、人種予測確率を用いて人種格差を推定するが、予測誤差と結果変数の相関により、格差を過小評価してしまう問題がある。
本論文では、姓を人種の代理変数として用いる新しい同定戦略を提案する。この戦略では、姓と結果変数が条件付き独立であるという仮定の下で、人種格差を一致推定できる。
提案手法であるBIRDiEモデルは、BISG予測確率を入力として、姓を楽器変数として用いることで、人種格差を正確に推定する。
BIRDiEモデルは、大規模な行政データにも適用可能であり、さらに追加の説明変数を組み込むことも可能である。
北カロライナ州の有権者データを用いた検証実験では、提案手法が従来手法に比べて最大84%の誤差削減を実現した。
最後に、内国歳入庁の個人所得税データに適用し、人種間の住宅ローン控除の利用格差を新たに推定した。
Stats
白人有権者と黒人有権者の民主党登録率の格差は54.6パーセントポイントである。
従来手法では24.1パーセントポイントと過小評価されていたが、提案手法では48.5パーセントポイントと、80%の誤差削減を実現した。
Quotes
"個人の人種情報が得られない場合でも、姓と居住地の情報を用いることで、人種格差を正確に推定することができる。"
"提案手法であるBIRDiEモデルは、BISG予測確率を入力として、姓を楽器変数として用いることで、人種格差を正確に推定する。"