Core Concepts
観測長の変化に伴うパフォーマンス低下を解決するため、FlexiLengthネットワーク(FLN)を提案する。FLNは、観測長の異なるデータを統合し、時間に不変な特徴表現を学習し、さらにそれらの表現を適応させることで、観測長の変化に対する頑健性を高める。
Abstract
本論文では、観測長の変化に伴うパフォーマンス低下、いわゆる「観測長シフト」の問題に取り組む。この問題は、トラジェクトリ予測タスクにおいて一般的に見られる課題であり、既存の手法では十分に解決されていない。
まず、観測長シフトの原因を分析し、位置エンコーディングの変化とレイヤーノーマライゼーションの統計量の変化が主な要因であることを明らかにした。
次に、FlexiLengthネットワーク(FLN)を提案した。FLNは以下の特徴を持つ:
観測長の異なるデータを統合して学習する
FlexiLength Calibration(FLC)により時間に不変な特徴表現を獲得する
FlexiLength Adaptation(FLA)により、観測長の異なる部分ネットワークに適応させる
これにより、観測長の変化に対する頑健性を高めつつ、単一の学習で複数の観測長に対応できる。
実験では、ETH/UCY、nuScenes、Argoverse 1の各データセットで、FLNがIsolated Trainingよりも優れた性能を示すことを確認した。さらに、観測長の範囲外でも良好な一般化性能を発揮することを示した。
Stats
観測長が2、4、6ステップの場合、AgentFormerモデルのADE5は各々1.92、1.88、1.83、FDE5は各々3.91、3.89、3.78である。
観測長が10、20、30ステップの場合、HiVT-64モデルのADE6は各々0.81、0.72、0.65、FDE6は各々1.25、1.08、0.98である。