Core Concepts
ニューラル放射輝度フィールドにおいて、距離スケールの変化に対して体積密度が逆スケールすることで、最終的な色の表現が不変になる性質を明らかにし、その性質を保証するための手法を提案する。
Abstract
本研究では、ニューラル放射輝度フィールド(NeRF)における「アルファ不変性」と呼ばれる性質について分析を行っている。アルファ不変性とは、3Dシーンのスケールが変化しても、最終的な色の表現が変わらないという性質である。
具体的には以下の点が明らかにされている:
理論的には、距離スケールの変化に対して体積密度が逆スケールすることで、アルファ値が不変になる。
実際のNeRFモデルでは、体積密度の出力関数の選択によってこの性質が保たれるかどうかが変わる。ReLUやsoftplusでは不安定になるが、expを使うと安定する。
expを使う際にも、初期化の工夫が必要で、距離と体積密度の両方をlog空間で扱い、高い透過率を保証する初期化を行うことで、様々なスケールでの安定した性能が得られる。
これらの知見に基づき、NeRFモデルの設計に対する具体的な提案がなされている。本研究は、NeRFの基本的な性質を明らかにし、より堅牢なモデル設計につなげるものである。
Stats
体積密度σの値は、シーンのスケールkが大きくなるにつれて、およそ1/kの割合で小さくなる。
物体表面付近のσの値は、kが0.1のときは約460、kが1.0のときは約55、kが10.0のときは約2960となる。