神経ピクセルプローブ用の再利用可能で柔軟で軽量な慢性インプラントの開発

Core Concepts

慢性的な神経活動記録のために、再利用可能で軽量で柔軟な「アポロインプラント」を開発した。このインプラントは、自由行動下のマウスやラットでの長期にわたる安定した神経活動記録を可能にする。

Abstract

本研究では、慢性的な神経活動記録のために「アポロインプラント」を開発した。このインプラントは、神経ピクセルプローブ1.0、2.0αおよび2.0を収容できる。インプラントは「ペイロード」モジュールと「ドッキング」モジュールの2つの部分から成る。ペイロードモジュールには最大2本のプローブを収容でき、ドッキングモジュールは頭蓋骨に固定される。このデザインにより、プローブの間隔、挿入角度、挿入深さを調整できる。
8つの研究室で、頭部固定下のマウス、自由行動下のマウスおよびラットで、このインプラントを使って神経活動の記録に成功した。同じプローブを最大6回まで再利用でき、数週間から数ヶ月にわたって安定した神経活動の記録が可能であった。プローブの再使用回数や挿入位置によって、記録された神経細胞数や信号の質に大きな影響はみられなかった。
このインプラントは、安価で軽量、柔軟性が高く、簡単に使用できるため、神経ピクセルプローブを用いた慢性的な神経活動記録に適している。自由行動下の動物での長期記録を可能にし、行動と神経活動の関係を明らかにする上で有用である。

Stats

神経ピクセルプローブ1.0、2.0α、2.0を使用したインプラントの重量はそれぞれ約1.7g、1.3g、0.9gである。
同じプローブを最大6回まで再使用できた。
記録された神経細胞数は数週間にわたって安定していた。
記録された神経細胞数は、プローブの再使用回数や挿入位置によって大きな影響を受けなかった。

Quotes

「アポロインプラント」は、再利用可能で軽量、柔軟性が高く、簡単に使用できるため、神経ピクセルプローブを用いた慢性的な神経活動記録に適している。
自由行動下の動物での長期記録を可能にし、行動と神経活動の関係を明らかにする上で有用である。

Key Insights Distilled From

An adaptable, reusable, and light implant for chronic Neuropixels probes

by Bimbard,C., ... at www.biorxiv.org 08-06-2023

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2023.08.03.551752v3

Deeper Inquiries

自由行動下の動物での長期記録を通して、どのような新しい知見が得られると期待されるか?

自由行動下の動物での長期記録により、日々の行動や学習プロセスなどの認知プロセスをより詳細に理解することが期待されます。例えば、動物が新しい環境で学習を行う際の脳内活動の変化や、長期記憶の形成に関わる神経回路のダイナミクスなどが明らかになる可能性があります。さらに、自然な環境での行動中における神経活動のパターンや特定の行動と神経活動の関連性なども解明されることで、行動と脳の関係に関する新たな洞察が得られるでしょう。