Core Concepts
FaiRTTアルゴリズムは、RTT測定に基づいてBDPの送信レートを動的に推定することで、象流と鼠流の間の公平なバンド幅配分を実現する。これにより、BBRの課題であるRTT不公平性を解決しつつ、ボトルネックリンクのスループットを維持する。
Abstract
本論文では、次世代ネットワーク(B5G/6G)における象流(高帯域、長RTT)と鼠流(低遅延、低帯域)の共存に伴う公平性の課題に取り組む。
BBRアルゴリズムは、ボトルネック帯域と最小RTTを推定してBDPを計算し、送信レートを制御するが、異なるRTTの流れが共存する場合に公平性の問題が生じる。
象流が鼠流を圧倒し、キューの肥大化や throughput の不均衡が起こる。
そこで本研究では、FaiRTTアルゴリズムを提案する。FaiRTTは、各フローのRTT推定に基づいてBDPを動的に調整することで、象流と鼠流の間の公平性を改善する。
シミュレーション実験の結果、FaiRTTはBBRv2と比べて、象流と鼠流の平均スループット比が1.08、公平性指数が0.98、ボトルネックリンクの平均利用率が98.78%と大幅に改善された。
Stats
象流と鼠流のスループット比は、BBRv2で1.44、FaiRTTで1.05
FaiRTTの平均総スループットはBBRv2より1%向上
FaiRTTの平均公平性指数は0.98、BBRv2は0.95
FaiRTTのボトルネックリンク平均利用率は98.78%、BBRv2は97.21%