Core Concepts
APIコード例の線形性と長さが、プログラマーの正確性と時間に与える影響を調査した。線形的なコード例は理解と再利用が容易であることが示唆された。
Abstract
本研究は、APIコード例の構造的特徴がその理解性と再利用性に与える影響を調査した。具体的には、(a)コードの線形性と(b)長さの2つの要因に着目した。
実験では、61人のJava開発者を対象に、Joda-Time APIのコード例を用いた理解とタスク遂行の実験を行った。線形と非線形のコード例を用意し、参加者にコード理解とコード再利用のタスクを行わせた。
結果として、線形的なコード例では反応時間が速いことが示された。一方で、正確性や主観的評価には大きな差は見られなかった。また、線形的なコード例の長さが短い場合、理解と再利用性がより高まることが明らかになった。
これらの知見は、APIプロバイダがコード例を効果的に構造化することで、APIの学習性を高められる可能性を示唆している。ただし、さらなる調査が必要であることも指摘された。
Stats
参加者の正確性は、線形コード例で68%、非線形コード例で69%だった。
線形コード例の理解時間の中央値は58秒、非線形コード例は110秒だった。
線形コード例の再利用時間の中央値は7分17秒、非線形コード例は10分13秒だった。