Core Concepts
本研究は、漫画のイメージとテキストの両方の情報を活用し、事前の学習や注釈なしでキャラクターを識別し、発話者を予測する新しい手法を提案する。
Abstract
本研究は、漫画のキャラクター識別と発話者予測の2つの重要なタスクに取り組む。これらのタスクは、キャラクター固有の音声生成や翻訳など、多様なアプリケーションに役立つ。
従来の監督学習アプローチでは、各漫画タイトルに対して個別の注釈が必要であり、現実的ではない。そこで本研究は、事前の学習や注釈なしで、漫画のイメージのみから、キャラクターを識別し、発話者を予測する新しい手法を提案する。
提案手法は以下の2つの主要な課題に取り組む:
高度なテキスト理解: 対話の中で登場人物の名前が限定的にしか示されていない場合でも、登場人物の相互作用や物語の文脈を理解し、発話者を予測する必要がある。
マルチモーダル統合: 事前の学習や注釈なしで、視覚情報とテキスト情報を統合し、キャラクター識別と発話者予測を行う必要がある。
提案手法は、大規模言語モデル(LLM)の文脈理解と推論能力を活用し、テキスト情報に基づく発話者予測を行う。さらに、イメージ情報に基づくキャラクター識別と、両者の相互補完的な反復的な融合を行うことで、漫画の深い理解を実現する。
実験の結果、提案手法は、事前の学習や注釈なしでも、キャラクター識別と発話者予測の両方で良好な性能を示すことができた。これは、マルチモーダル情報の統合と、LLMの高度な文脈理解能力を活用した初めての試みである。
Stats
発話者予測の精度は、反復的な融合により51.6%まで向上した。
キャラクター識別の精度は、反復的な融合により42.8%まで向上した。
Quotes
"本研究は、事前の学習や注釈なしで、漫画のイメージのみから、キャラクターを識別し、発話者を予測する新しい手法を提案する。"
"提案手法は、大規模言語モデル(LLM)の文脈理解と推論能力を活用し、テキスト情報に基づく発話者予測を行う。さらに、イメージ情報に基づくキャラクター識別と、両者の相互補完的な反復的な融合を行うことで、漫画の深い理解を実現する。"