Core Concepts
マルコフ費用プロセスにおける無限期間割引費用のリスク指標(分散、VaR、CVaR)の推定に必要な最小限のサンプル数を示した。また、CVaRとバリアンスの推定に対する上限も導出した。
Abstract
本論文では、マルコフ費用プロセス(MCP)における無限期間割引費用のリスク指標の推定に関する下限と上限を示した。
まず、リスク指標として分散、VaR、CVaRを考え、決定論的コスト関数を持つMCPと確率的コスト関数を持つMCPの2つのケースについて、リスク推定に必要な最小限のサンプル数の下限を導出した。
決定論的コスト関数の場合、VaRとCVaRの推定には少なくともΩ(1/ǫ^2)のサンプルが必要であることを示した。確率的コスト関数の場合は、平均、分散、VaR、CVaRの推定にもΩ(1/ǫ^2)のサンプルが必要であることを示した。
次に、CVaRとバリアンスの推定に対する上限を導出した。トランケーション手法を用いて、CVaRとバリアンスの推定誤差をe
O(1/ǫ^2)以内に抑えられることを示した。これらの上限は、対応する下限と対数因子の違いを除いて一致する。
さらに、スペクトルリスク尺度や効用ベースのショートフォール・リスクなど、ある連続性条件を満たすより一般的なリスク尺度の推定スキームについても議論した。
Stats
決定論的コスト関数の場合、VaRとCVaRの推定には少なくともΩ(1/ǫ^2)のサンプルが必要
確率的コスト関数の場合、平均、分散、VaR、CVaRの推定にもΩ(1/ǫ^2)のサンプルが必要
CVaRとバリアンスの推定誤差をe
O(1/ǫ^2)以内に抑えられる