Core Concepts
マルチモーダル推薦システムでは、製品のマルチモーダル特徴を活用して推薦を行うが、実世界のアプリケーションでは一部の製品にしかマルチモーダル情報がない場合がある。本研究では、このような欠落モダリティの問題に取り組み、グラフ表現学習の手法を応用して特徴伝播アルゴリズムを提案する。
Abstract
本研究では、マルチモーダル推薦における欠落モダリティの問題に取り組む。マルチモーダル推薦システムでは、製品の画像、テキスト、音声などのマルチモーダル情報を活用して推薦を行うが、実世界のアプリケーションでは一部の製品にしかこれらの情報がない場合がある。
まず、欠落モダリティの問題を定式化する。具体的には、カタログ内の一部の製品がマルチモーダル特徴を持たない設定を想定する。次に、グラフ表現学習の手法を応用して、この問題をグラフ上の欠落ノード特徴の問題として再定式化する。そして、最先端の特徴伝播アルゴリズムを応用した手法「FeatProp」を提案する。
FeatPropでは、まず製品-製品の共起グラフを構築し、共起する製品間のマルチモーダル類似性を利用して、欠落した特徴を伝播的に補完する。提案手法は、既存のマルチモーダル推薦システムに対するプリプロセッシングモジュールとして機能し、モデルに依存せずに適用できる。
実験では、3つのAmazonデータセットと2つの最新のマルチモーダル推薦手法を用いて、1080通りの設定で評価を行った。結果、提案手法FeatPropが他の単純な補完手法に比べて優れた性能を示すことが分かった。また、伝播層数の検討から、推薦モデルによって最適な伝播層数が異なることが明らかになった。
Stats
製品-製品の共起数が多いほど、その製品ペアは類似したマルチモーダル特徴を持つ可能性が高い。
欠落モダリティの割合が高いほど、推薦精度が低下する。
Quotes
欠落モダリティの問題は実世界のアプリケーションに関連するが、これまであまり注目されてこなかった。
マルチモーダル推薦では、製品の画像、テキスト、音声などの情報を活用するが、一部の製品にしかこれらの情報がない場合がある。