Core Concepts
コインを投げて下から上へのランダムな再バランシングを行うことで、二分探索木の高さを対数オーダーに保つことができる。ただし、特定の挿入順序では木の深さが線形になる可能性がある。
Abstract
本論文では、二分探索木への挿入後のランダムな再バランシング手法を提案している。具体的には、新しい要素が挿入された葉ノードから親ノードに向かって、コインを投げて上方向に回転を行うというものである。
まず、増加順や減少順の挿入シーケンスでは、各ノードの期待深さがO(log n)になることを示した。一方で、収束シーケンスやペアシーケンスでは、期待平均深さがΘ(n)になることを示した。
提案手法は、ランダムな再バランシングを行うものの、既存の再バランシング手法と比べて劣る性能を示す。ただし、ノードの深さの期待値を対数オーダーに抑えられる場合があり、また、再バランシングに要する時間、回転数、使用ランダムビット数がO(1)と効率的であるという利点がある。
Stats
新しい要素が挿入された葉ノードから親ノードに向かって、コインを投げて上方向に回転を行う。この操作を期待O(1)回行う。