Core Concepts
強誘電体HZO層を用いてショットキーバリアを制御することで、ロジックとメモリ機能を統合した高密度トランジスタの実現が可能である。
Abstract
本研究では、ショットキーバリアFETに強誘電体HZO層を集積することで、ロジックとメモリ機能を統合した高密度トランジスタの開発を行っている。
まず、SOI基板上にSi ナノシートを作製し、その上に0.9nmのSiO2層とHZO層を積層した構造を作製した。HZO層は2つのポーラリティゲート(PG)の下にのみ形成されており、PGに印加する電圧によってHZOの分極状態を制御することで、ショットキーバリアの高さを変調できる。
実験の結果、PGに+5Vまたは-3Vの電圧パルスを印加することで、トランジスタの動作モードを完全なp型からn型まで切り替えられることが示された。さらに、パルス電圧の大きさを変えることで、中間的な状態も実現でき、多値メモリ動作が可能であることが明らかになった。これらの状態は6時間以上の長期にわたって安定に保たれることが確認された。
このように、強誘電体HZO層を用いることで、ショットキーバリアの高さを自在に制御でき、ロジックとメモリ機能を統合した高密度トランジスタの実現が期待できる。本デバイスは、低消費電力な人工ニューラルネットワーク向けハードウェアの開発に有望な基盤技術となると考えられる。
Stats
電流レベルは、ポーラリティゲートに印加するパルス電圧の大きさに指数関数的に依存する。
最大電流は、n側で2桁、p側で4桁の変調が可能である。
Quotes
"強誘電体HZO層を用いることで、ショットキーバリアの高さを自在に制御でき、ロジックとメモリ機能を統合した高密度トランジスタの実現が期待できる。"
"本デバイスは、低消費電力な人工ニューラルネットワーク向けハードウェアの開発に有望な基盤技術となると考えられる。"