Core Concepts
人間の手のような幅広い可動域と大きな把握力を実現するため、親指の可動域を広げる機構と4指の可変剛性関節機構を組み合わせたロボットハンドを開発した。
Abstract
本研究では、人間の手の特徴である親指の可動域の広さと4指の可変剛性関節を実現するための機構を開発した。
親指の可動域の広さは、3つの加工スプリングを組み合わせることで実現した。これにより、親指の対向運動と外転-内転運動を広範囲に発現できる。
4指の可変剛性関節は、アゴニスト腱駆動方式を用いて実現した。これにより、指が物体に沿って曲がる柔軟性と、指の側面を使って力を伝達する剛性を切り替えられる。
開発したハンドを用いて、様々な形状の物体の把握、大荷重の支持、ドアノブの回転や机の拭き掃除といった動作を実現した。これらの結果から、本ハンドが人間の手のような高い器用さと大きな把握力を兼ね備えていることが示された。
Stats
本ハンドは最大400Nの荷重に耐えられる。
本ハンドの親指CM関節の剛性は、対向運動用が903 deg/Nm、外転-内転運動用が443 deg/Nmである。
4指のMP関節の剛性は664 deg/Nm、PIP関節が863 deg/Nm、DIP関節が443 deg/Nmである。
Quotes
"人間の手は様々な形状と大きさの物体を把握し、手の中で操作することができ、体重を支えるほどの大きな把握力を発揮することができる。一方で、ほとんどのロボットハンドはこの両方を実現することが難しい。"
"そのため本研究では、様々な物体を把握し、大きな把握力を発揮できるハンドを開発した。"