Core Concepts
本論文では、過駆動脚ロボットの全身制御性能を向上させるため、浮遊ベースのフィードバック制御に対してリッカチ制御を適用する手法を提案する。この手法では、非駆動ダイナミクスの線形モデルを利用してLQRを定式化し、摩擦円錐制約を考慮したリッカチ利得を求める。得られたリッカチ利得を用いて、従来の経験的なPDフィードバックを置き換えることで、浮遊ベースの追従性能を向上させる。
Abstract
本論文では、過駆動脚ロボットの全身制御性能を向上させるための手法を提案している。
まず、従来の全身制御では、浮遊ベースのPDフィードバックゲインを経験的に調整する必要があり、これが性能向上の障壁となっていることを指摘する。
そこで本手法では、以下のアプローチを取る:
非駆動ダイナミクスの線形モデルを導出する
摩擦円錐制約を考慮したLQRを定式化し、リッカチ利得を求める
得られたリッカチ利得を用いて、浮遊ベースのフィードバック制御則を構築する
シミュレーションと実機実験の結果、提案手法は従来の経験的な調整手法に比べて、線速度と角速度の追従誤差を大幅に改善できることを示している。特に、急激な速度変化に対する追従性が向上している。
このように、本手法は過駆動脚ロボットの全身制御性能を向上させるための合理的な手法であり、従来の経験的な調整に頼らずに、システムの非駆動性とコンタクト制約を考慮した制御則を導出できる点が特徴である。
Stats
浮遊ベースの線速度追従誤差は、提案手法が従来手法に比べて少なくとも12%、最大で50%改善された。
浮遊ベースの角速度追従誤差は、提案手法が従来手法に比べて少なくとも7%、最大で47%改善された。
四足ロボットの実験では、線速度追従誤差が少なくとも3%、角速度追従誤差が少なくとも23%改善された。