Core Concepts
ケーブル駆動型の柔軟な連続体マニピュレータは、摩擦、伸長、カップリングなどのケーブル効果によりヒステリシスが生じ、制御が困難になる。本研究では、RGBD センシングと時間畳み込みネットワークを用いて、この非線形かつ過去の状態依存的な特性をモデル化し、ヒステリシスを補償する手法を提案する。
Abstract
本研究では、5自由度の柔軟な連続体マニピュレータを提案している。このマニピュレータは、ケーブル駆動により動作するが、ケーブルの摩擦、伸長、カップリングなどの影響によりヒステリシスが生じ、制御が困難になる。
そこで本研究では、RGBD センシングと7つのフィデューシャルマーカーを用いて、マニピュレータの物理的な関節角度を推定する手法を提案した。さらに、この推定データを用いて、4つの深層学習モデルによるヒステリシスのモデル化を行った。その結果、時間畳み込みネットワーク(TCN)が最も高い予測性能を示すことが分かった。
次に、訓練済みのTCNモデルを用いて、ヒステリシスを補償するコントローラを構築した。3つの未知の軌道追跡実験の結果、提案手法により位置誤差が61.39%(13.7mmから5.29mm)、姿勢誤差が64.04%(31.17°から11.21°)まで低減できることが示された。
この結果は、提案手法が効果的にヒステリシスを推定し、目標の関節角度に到達できることを意味している。実際の外科手術シナリオでこの手法を適用すれば、制御精度の向上と手術パフォーマンスの改善が期待できる。
Stats
位置誤差の平均絶対値は、未補償時13.7mm、補償後5.29mmと61.39%低減された。
姿勢誤差の平均絶対値は、未補償時31.17°、補償後11.21°と64.04%低減された。