Core Concepts
筋骨格型ヒューマノイドの複雑な筋骨格構造をモデルベースの制御では実現できないため、実際のロボットから関節角度、筋張力、筋長の非線形関係を学習する制御メカニズムが必要である。本研究では、常に正しい自己身体イメージを維持するための長期学習システムを提案し、その自己身体イメージを用いた位置制御、トルク制御、可変剛性制御を実現する。
Abstract
本研究では、筋骨格型ヒューマノイドの自己身体イメージを長期的に獲得し、それを用いた制御手法を提案している。
自己身体イメージの獲得
初期の幾何学モデルを用いた学習と、実ロボットセンサ情報を用いたオンライン学習を組み合わせる
オンライン学習では、筋張力と筋長の関係を表すモデルと、理想的な関節角度-筋長関係を表すモデルを分離して学習
筋張力と温度の上昇を抑制するための安全メカニズムを導入
自己身体イメージを用いた制御
位置制御: 目標関節角度と筋張力から目標筋長を算出
トルク制御: 自己身体イメージから得られる筋ヤコビアンを用いて実現
可変剛性制御: 自己身体イメージから推定した操作剛性を目標剛性に近づけるように筋張力を調整
実験結果
長時間の自己身体イメージ獲得実験では、筋損傷にも関わらず安定した制御が維持できることを示した
ダンベル持ち上げ実験では、自己身体イメージの学習に伴い、目標高さまでダンベルを持ち上げられるようになった
可変剛性制御実験では、理論値と実際の剛性が良く一致することを確認した
以上より、提案手法により筋骨格型ヒューマノイドの自己身体イメージを長期的に獲得し、位置制御、トルク制御、可変剛性制御を実現できることが示された。
Stats
関節角度と筋長の理想的な関係は以下のように表される:
l = fideal(θ) + g(θ, T)
ここで、lは筋長、Tは筋張力、θは関節角度である。