Core Concepts
ニューラルネットワークを用いて、腱駆動型連続ロボットの履歴依存的な運動学を効果的にモデル化することができる。
Abstract
本論文では、腱駆動型連続ロボットの運動学モデル化に関して、ニューラルネットワークアプローチを系統的に探索している。
まず、2つの腱駆動型連続ロボットのシステムを実験的に調査し、その運動学特性を分析した。その結果、ロボットの設計によっては、関節空間の入力パラメータの選択によって履歴特性が現れるかどうかが変わることが分かった。
次に、3種類のニューラルネットワークモデル(標準FNN、履歴入力バッファ付きFNN、LSTM)を用いて、順運動学と逆運動学のモデル化を行った。その結果、標準FNNでは履歴依存性をモデル化できないのに対し、履歴入力バッファ付きFNNとLSTMは、履歴依存性を効果的にモデル化できることが示された。特に、LSTMは長期の履歴依存性を捉えることができ、履歴依存的な速度依存性も良好に再現できることが確認された。
以上より、ニューラルネットワークを用いることで、腱駆動型連続ロボットの複雑な運動学、特に履歴依存性をうまくモデル化できることが明らかになった。
Stats
腱変位と先端角度の関係には履歴特性が見られ、その特性は速度依存性を示す。
腱変位が3 mmの正弦波入力に対して、0.3 Hzを超える周波数では、最大曲げ角度と履歴ループの幅が変化する。
この速度依存性は主にアクチュエータ(モータ)の遅れに起因すると考えられる。