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公共空間におけるリサーチロボットの展開に関するフィールドノート


Core Concepts
ロボットを公共空間に展開する際の課題と解決策を共有し、HRI研究コミュニティにおける野外研究の促進を呼びかける。
Abstract
本論文では、2022年と2023年の夏に、ニューヨーク市のダウンタウンマンハッタンとブルックリンの2つの公共広場で、ゴミ箱サービスロボットを使ったウィザード・オブ・オズ方式の実験を行った経験を報告している。 公共空間でのロボット展開には多くの課題があり、本論文では以下のような知見を共有している: 同意取得: 公共空間での研究では、参加者への事前の同意取得が難しい。事後の同意取得や、最小限のリスクしかない研究では、口頭同意で対応できる。 インタビュー: 直接的な参加者だけでなく、ロボットを避けた人々の反応も重要。複数のインタビュアーを配置し、ロボットの退出後に行うことが望ましい。 プロトコルの変更: 予期せぬ状況に柔軟に対応するため、IRBと相談しながらプロトコルを変更する必要がある。 ロボットのハードウェア: 移動性と堅牢性を両立させるため、中古のホバーボードなどを活用。通信にはWi-Fiを使用。 ソフトウェア: ROSを使ったモジュール化されたシステムが有効。緊急停止ボタンやウォッチドッグなどの安全対策も重要。 展開場所: 管理主体との調整が必要。人の流れや使われ方に合わせて場所を選ぶ。 データ収集: ロボット、環境、オペレーターの3つの視点からデータを収集する。ノイズへの対策が重要。 メディア対応: 長期展開では、メディア露出のタイミングを調整する必要がある。 これらの知見を共有し、HRI研究コミュニティにおける野外研究の促進を呼びかけている。
Stats
公共広場での実験を合計20時間実施した。 2つの異なる公共広場で実験を行った。一方は観光地、もう一方は地元住民の集まる広場。
Quotes
"Historically, much of the earlier work in HRI research has been based on controlled laboratory experiments. To expand the methodological base of user testing for HRI with in-the-wild approaches, more recent work has looked into adopting methods from other disciplines – such as ethnography, which offers great methods of qualitative observational studies – and expanding the use cases of these methods to the field of robotics [3]." "Failure to conduct a thorough evaluation of robots could result in the formulation of policies related to robotics in public spaces occurring only after extensive commercial development and widespread robot deployment. This delay could potentially heighten the risks for individuals in the public domain."

Key Insights Distilled From

by Fanjun Bu,Al... at arxiv.org 04-30-2024

https://arxiv.org/pdf/2404.18375.pdf
Field Notes on Deploying Research Robots in Public Spaces

Deeper Inquiries

公共空間でのロボット展開を促進するためには、どのようなインセンティブ制度や支援策が考えられるか。

公共空間でのロボット展開を促進するためには、研究者や実務家に対してインセンティブや支援策を提供することが重要です。例えば、研究資金や設備の提供、展開場所の手配、法的サポート、および倫理的ガイダンスなどが含まれます。また、公共機関や地方自治体との協力を強化し、ロボット展開に関する規制や許可手続きを簡素化することも重要です。さらに、研究成果の普及や共有を促進するためのプラットフォームやイベントの提供も有効です。これにより、研究者や実務家が公共空間でのロボット展開に積極的に取り組むインセンティブが生まれ、研究の進展と社会への貢献が促進されるでしょう。

ロボットの自律性と人間の介入のバランスをどのように取るべきか。

ロボットの自律性と人間の介入のバランスは重要な課題です。公共空間でのロボット展開では、Wizard-of-Ozプロトコルのような手法を活用して、人間がロボットの動作を一部制御しつつ、自律的に振る舞うように見せることが一般的です。このようなアプローチにより、ロボットの行動を制御しつつ、人間との自然なインタラクションを実現することが可能となります。また、研究者や運用者は、ロボットの行動範囲や安全性を考慮しながら、適切なレベルでの人間の介入を設計する必要があります。自律性と介入のバランスを取るためには、継続的な評価と改善が不可欠であり、ユーザーのフィードバックや環境の変化に柔軟に対応することが重要です。

公共空間でのロボット利用に関する倫理的な課題にはどのようなものがあるか。

公共空間でのロボット利用にはさまざまな倫理的な課題が存在します。例えば、プライバシーやセキュリティの問題、データ収集と利用の透明性、社会的影響や差別のリスクなどが挙げられます。特に、人々の意図しない監視やデータ収集が懸念されるため、倫理的なガイドラインや法的枠組みが必要とされます。また、ロボットの行動が人々の行動や意思決定に影響を与える可能性があるため、その影響を適切に評価し、社会的責任を考慮することが重要です。さらに、公共空間でのロボット利用においては、透明性、公正性、および利益の最大化とリスクの最小化のバランスを保つことが求められます。これらの倫理的な課題に対処するためには、継続的な倫理審査やステークホルダーとの協力が不可欠です。
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