Core Concepts
動的環境における障害物回避の難易度を包括的に捉える4つの指標を提案し、それらの有効性を検証した。その結果、生存可能性指標が最も優れており、プランナーの成功率と強い単調関係を持つことが示された。
Abstract
本研究では、動的環境における障害物回避の難易度を評価するための4つの指標を提案した。これらの指標は、障害物の数、サイズ、速度などの要因が難易度に及ぼす影響を包括的に捉えることを目的としている。
提案した指標は以下の通り:
障害物密度: 環境中の障害物が占める面積の割合
通過可能性: 環境中の通過可能な距離の平均
動的通過可能性: 時間経過に伴う通過可能性の変化
VO可能性: 障害物との衝突を回避できる速度の割合
生存可能性: 環境中の任意の位置に静止ロボットを置いた際の平均生存時間
全体生存可能性: 複数の位置に同時に静止ロボットを置いた際の平均生存時間
これらの指標の有効性を検証するため、知覚・制御誤差の影響を排除した効率的なシミュレータを開発した。様々なトラジェクトリプランナーとガイズプランナーを用いて1.5百万回以上の試行を行った結果、生存可能性指標が最も優れていることが示された。具体的には、全てのプランナーにおいて、生存可能性が低いほど成功率が高くなるという単調な関係が確認された。
この指標は、動的環境における障害物回避手法の公平かつ包括的なベンチマーキングを可能にするだけでなく、それらの手法の改善にも役立つと考えられる。
Stats
障害物回避の成功率は生存可能性指標と強い単調関係にある。