Core Concepts
本論文では、四角翼UAVの姿勢制御のためのLinear Quadratic Regulator with Integral Action (LQRi)の設計と実装、および飛行試験の結果を提示する。
Abstract
本論文では、四角翼UAVの運動学と動力学の数学モデルを導出し、その線形化状態空間表現を用いてLQRおよびLQRiコントローラを設計した。LQRiコントローラは、従来のLQRコントローラに積分制御を組み合わせることで、定常偏差を低減し、モデル不確定性や外乱に対する制御性能を向上させることを目的としている。
シミュレーション環境では、LQRコントローラとLQRiコントローラの性能を比較し、LQRiコントローラが優れた姿勢追従性能を示すことを確認した。さらに、実機の四角翼UAVにLQRおよびLQRiコントローラを実装し、飛行試験を行った。その結果、LQRiコントローラがロール、ピッチ軸で40%、ヨー軸で13%優れた姿勢追従性能を示すことが明らかになった。
ただし、ヨー軸の制御性能はQ行列とR行列のチューニングに敏感であることが分かった。したがって、今後の研究では、これらのハイパーパラメータを自動的に調整する手法を検討する必要がある。また、モーターパラメータに依存しない、ボディレート指令の追従制御手法の開発も課題として挙げられる。
Stats
姿勢追従性能の指標(SITL)
ロール角のMSE: 0.68
ピッチ角のMSE: 0.42
ヨー角のMSE: 4.87
姿勢追従性能の指標(実機飛行試験)
ロール角のMSE: 3.45
ピッチ角のMSE: 2.35
ヨー角のMSE: 23.39