Core Concepts
柔軟物体(ロープ)を使って剛体物体を目的の位置に移動させる手法を提案する。反復的なつかみ引き動作を用いることで、様々な環境設定に対応できる汎用的な手法を実現している。
Abstract
本研究では、剛体物体を柔軟物体(ロープ)を使って操作する異種システムの操作タスクに取り組んでいる。従来の手法は、モデルベースの手法やデータ駆動の手法があるが、操作空間の限定や一般化性の低さといった課題があった。
本研究では、反復的なつかみ引き(Iterative Grasp-Pull: IGP)動作を提案し、DeRi-IGPと呼ばれるフレームワークを開発した。IGPは、ロープの特定の位置をつかみ引き動作を繰り返すことで剛体物体を操作する手法である。DeRi-IGPでは、この IGP動作を生成するネットワークと、その結果を予測するネットワークを組み合わせることで、様々な環境設定に対応できる汎用的な手法を実現している。
実験では、ランダムな位置関係の目標到達タスクや遠隔物体獲得タスクを通して、DeRi-IGPの有効性を示している。特に、従来手法と比較して大幅な性能向上が確認された。また、シミュレーション実験だけでなく、実環境でのヒトロボット協調タスクでも良好な結果が得られ、現実世界への適用性も示された。
Stats
ランダムな位置関係の目標到達タスクにおいて、DeRi-IGP-GIPは86%の成功率を達成し、最終的な剛体物体と目標位置の距離は0.139 ± 0.087mであった。