Core Concepts
産業用ケーブル接続は、ロボット技術の適用により自動化が可能になりつつある。しかし、狭隘な作業環境や高い位置精度が要求されるなど、多くの課題が残されている。本論文では、これらの課題に対する実用的なソリューションを提案する。
Abstract
本論文では、産業用ケーブル接続の自動化に向けた取り組みについて述べている。
まず、ケーブル把持、ルーティング、プラグ挿入の3つの工程からなるケーブル接続タスクについて、既存の研究手法を概説している。これらの手法は簡易な環境では有効だが、狭隘な作業空間や高い位置精度が要求される実際の産業現場では課題が残されている。
次に、2種類の産業用コネクタ(FASTON、工業用コネクタ)を対象とした自動化ソリューションを提案している。FASTON コネクタの場合、特殊な指先形状のグリッパと、ケーブル向きを補正する機構を組み合わせることで、ケーブル把持、ルーティング、プラグ挿入を実現している。一方、工業用コネクタの場合、複数のケーブルを垂直方向に把持できるグリッパを開発し、プラグ挿入のみを自動化している。
実験の結果、提案手法によりFASTONコネクタの完全自動組立が可能であることを示している。一方、工業用コネクタについては、作業空間の制約から、ケーブルルーティングの自動化が困難であることが明らかになった。
最後に、ロボットの位置精度、ケーブルルーティング、グリッパ交換システムなど、自動化を阻害する課題と改善提案について述べている。
Stats
ケーブル把持から挿入までの所要時間は、FASTON コネクタで20秒、工業用コネクタで14秒
FASTON コネクタの挿入許容誤差は3mm
Quotes
"ケーブル接続タスクは現在ほとんどが手作業で行われており、電化の費用対効果を制限している。"
"ロボットによるプラグの把持・挿入、ケーブルの操作の実現可能性は研究現場で示されてきたが、ピッキング、挿入、ルーティング、検証のすべてのプロセスを1つのシステムで解決する必要がある。"