Core Concepts
複数の減毒機構を組み合わせた生ワクチン候補BK2102は、長期にわたる中和抗体の誘導と、ハムスターおよび遺伝子組換えマウスにおける高い安全性を示した。
Abstract
本研究では、SARS-CoV-2の生ワクチン候補の免疫原性と安全性を評価した。
3つの遺伝子欠失と3つの温度感受性関連変異を組み合わせたワクチン候補BK2102を作製した。
BK2102は、ハムスターに投与すると中和抗体を誘導し、D614G株およびOmicron BA.5株に対する防御効果を示した。
BK2102によって誘導された中和抗体は364日間持続し、長期的な防御効果が示された。
BK2102はハムスターおよび遺伝子組換えマウスにおいて高い安全性を示し、脳への侵入や毒性の回復リスクが低いことが確認された。
これらの結果から、BK2102は安全性と長期的な防御効果を兼ね備えた有望な生ワクチン候補であると考えられる。
Stats
BK2102は32°Cでは野生株と同程度に増殖したが、37°Cでは野生株に比べ有意に増殖が抑制された。
BK2102接種ハムスターの中和抗体価は接種28日後にピークに達し、364日後も持続した。
BK2102接種ハムスターの肺および鼻腔における野生株およびOmicron BA.5株の感染価は有意に低かった。
遺伝子組換えマウスにおいて、BK2102は106 PFUの高用量でも致死性を示さなかったのに対し、D614G株や FCS欠失株は102 PFUで致死的であった。
Quotes
"BK2102は、安全性と長期的な防御効果を兼ね備えた有望な生ワクチン候補である。"
"複数の減毒機構を組み合わせることで、毒性の回復リスクを低減できる可能性がある。"