Core Concepts
クラウドプラットフォームとワークロードの双方向通信を可能にするフレームワーク「Workload Intelligence (WI)」を提案し、クラウドの提供サービスを簡素化し、コストを削減しつつ、ワークロードに優れたサービスを提供することができる。
Abstract
本論文では、クラウドワークロードの特性と要件を調査し、それらを活用してクラウドプラットフォームの最適化を行う方法について提案している。
まず、188件のクラウドワークロードの特性を調査し、スケーラビリティ、信頼性、パフォーマンス、地理的依存性の4つのカテゴリに分類した。この調査結果に基づき、クラウドプラットフォームが実施できる10種類の最適化手法を示した。
次に、これらの最適化手法を実現するためには、ワークロードの特性に関する情報が不可欠であることを指摘した。しかし、現在のクラウドインターフェースでは、最適化に必要な情報を十分に提供できていないことが問題点として挙げられた。
そこで本論文では、ワークロードとプラットフォームの双方向通信を可能にする「Workload Intelligence (WI)」フレームワークを提案した。WIでは、ワークロードがその特性や要件を明示的に伝えることができ、プラットフォームはそれを活用して最適化を行うことができる。
WIの設計では、一般性、安全性、スケーラビリティ、可用性、効率性、保守性の課題に取り組んでいる。具体的には、ワークロードが7種類のヒントを提供し、プラットフォームはそれを活用して10種類の最適化を行う。また、ヒントの送受信は分散化されつつ、全体の調整は中央集権的に行う。
最後に、ビッグデータ分析、マイクロサービス、ビデオ会議の3つのユースケースを通じて、WIの有効性を示した。WIを活用することで、コストを平均48.8%削減しつつ、パフォーマンスの低下を最小限に抑えられることが分かった。
Stats
ワークロードの45.5%がステートレス、17.4%が部分的にステートレス、37.1%がステートフル
ワークロードの28.5%が厳密な展開時間要件を持ち、71.5%が厳密ではない
ワークロードの62.8%が3つの9以下の可用性を要求
ワークロードの60.6%が部分的または完全に先取り可能
ワークロードの24.5%が遅延に寛容、75.5%が遅延に敏感
ワークロードの61.4%が地域に依存しない