Core Concepts
大規模言語モデルは、多主体フロッキングの基本的な側面である動きの調整、特定の隊形の維持、主体間の適切な距離の確保などに大きな課題を抱えている。これは、空間認識と推論の能力が不足しているためである。
Abstract
本研究では、大規模言語モデルを用いた多主体フロッキングの解決に関する課題を調査した。実験の結果、現在の大規模言語モデル(GPT-3.5-Turboなど)は、主体間の位置関係の理解や距離の維持など、フロッキングの基本的な要素を適切に処理できないことが明らかになった。
主体の数を5、3、2と段階的に減らしても、大規模言語モデルは主体間の距離を維持することができず、むしろ主体が集まる合意形成のような挙動を示した。これは、モデルが空間的な推論能力が不足しているためと考えられる。
具体的には、主体の位置情報を与えても、モデルはその位置関係を正しく理解できず、誤った判断を下してしまう。例えば、2主体の場合、片方の主体が固定されていても、移動主体は固定主体から離れていくという不適切な行動をとってしまう。
このように、現状の大規模言語モデルには多主体フロッキングを解決する上で重大な課題があることが明らかになった。今後は、空間認識と推論の能力を向上させることで、より複雑な多主体問題の解決につなげていくことが期待される。
Stats
主体間の距離が10単位の場合、主体の位置は[-16.96, 15.4]と[17.04, 15.4]である。