Core Concepts
環 $\mathbb{Z}_{p^l}$ 上の線形符号が最小性を達成するための必要十分条件を示した。また、最小線形符号の存在に関する上限と下限を与えた。
Abstract
本論文では、環 $\mathbb{Z}_{p^l}$ 上の線形符号の最小性に関する必要十分条件を示した。具体的には以下の内容を明らかにした:
任意のベクトル $v \in \mathbb{Z}_{p^l}^k \setminus {0}$ に対して、$M(v, \Lambda) = O(v)$ であることが、符号語 $c(v)$ の最小性の必要十分条件である。ここで、$M(v, \Lambda)$ は $\Lambda$ 内の $v$ に直交するベクトルの生成部分空間、$O(v)$ は $v$ に直交するベクトルの全体である。
線形符号 $C(\Lambda)$ が最小であるための必要十分条件は、任意の $v \in \mathbb{Z}_{p^l}^k \setminus {0}$ に対して $M(v, \Lambda) = O(v)$ が成り立つことである。
さらに、最小線形符号の存在に関する上限と下限を以下のように与えた:
最小線形符号 $[n, k]_{p^l}$ が存在するための必要十分条件は $n \geq n(k; p^l)$ であり、ここで $n(k; p^l)$ は $k$ 次元最小線形符号が必ず存在する最小の長さである。
$n(k; p^l)$ の下限は $(k-1)p^l + p^{l-k}$ ($k \geq 3$) および $p^l + p^{l-2} + 1$ ($k = 2$) である。
$n(k; p^l)$ の上限は $\frac{k(k-1)}{2}(p^l + p^{l-1} - 2) + k$ である。
Stats
最小線形符号 $[n, k]_{p^l}$ が存在するための必要十分条件は $n \geq n(k; p^l)$ である。
$n(k; p^l)$ の下限は $(k-1)p^l + p^{l-k}$ ($k \geq 3$) および $p^l + p^{l-2} + 1$ ($k = 2$) である。
$n(k; p^l)$ の上限は $\frac{k(k-1)}{2}(p^l + p^{l-1} - 2) + k$ である。
Quotes
"任意のベクトル $v \in \mathbb{Z}_{p^l}^k \setminus {0}$ に対して、$M(v, \Lambda) = O(v)$ であることが、符号語 $c(v)$ の最小性の必要十分条件である。"
"線形符号 $C(\Lambda)$ が最小であるための必要十分条件は、任意の $v \in \mathbb{Z}_{p^l}^k \setminus {0}$ に対して $M(v, \Lambda) = O(v)$ が成り立つことである。"