Core Concepts
idh-1ネオモルフィック変異体はビタミンB12依存的に一炭素代謝の枯渇を引き起こし、致死的な表現型を引き起こす。
Abstract
本研究では、Caenorhabditis elegansにおけるidh-1ネオモルフィック変異体の影響を調べた。idh-1ネオモルフィック変異体はD-2-ヒドロキシグルタル酸(D-2HG)を蓄積させるが、これはΔdhgd-1変異体とは異なる代謝的影響を示した。特に、ビタミンB12の添加がidh-1ネオモルフィック変異体の胚致死性を悪化させることが分かった。この致死性はグリシン開裂系の阻害や一炭素供与体の補充によって改善されることから、idh-1ネオモルフィック変異体はビタミンB12依存的に一炭素代謝の枯渇を引き起こすことが示された。一方、Δdhgd-1変異体の致死性はビタミンB12によって改善される。このように、二つのD-2HG蓄積モデルの違いを比較することで、D-2HGが引き起こす代謝的影響の違いが明らかになった。
Stats
idh-1ネオモルフィック変異体ではD-2HGが蓄積するが、idh-2ネオモルフィック変異体では蓄積しない
idh-1ネオモルフィック変異体にビタミンB12を添加すると、D-2HG量が増加する
idh-1ネオモルフィック変異体にビタミンB12を添加すると、胚致死性が増加する
idh-1ネオモルフィック変異体にグリシン開裂系の遺伝子をノックダウンすると、ビタミンB12添加による胚致死性がさらに増加する
idh-1ネオモルフィック変異体にビタミンB12を添加した際の胚致死性は、一炭素供与体のギ酸の添加によって改善される
idh-1ネオモルフィック変異体にビタミンB12を添加した際の胚致死性は、メチオニン/SAサイクルの遺伝子をノックダウンすることで改善される
Quotes
"idh-1ネオモルフィック変異体はビタミンB12依存的に一炭素代謝の枯渇を引き起こし、致死的な表現型を引き起こす。"
"二つのD-2HG蓄積モデルの違いを比較することで、D-2HGが引き起こす代謝的影響の違いが明らかになった。"