Core Concepts
VRを用いたマルチモーダルなASMRトリガーは、ユーザーの快適さ、リラックス感、楽しさを高めることができる。
Abstract
本研究では、VRを用いたASMRの体験がユーザーの精神的健康に及ぼす影響を調査した。2つの実験的研究を通じて、触覚フィードバックを伴うASMRの体験がリラックス効果を高めることを示した。また、振動触覚トリガーがASMRの体験を高め、快適さ、リラックス感、楽しさを増強することが明らかになった。
実験1では、マルチモーダルなASMRの体験がユーザーの精神的健康に良い影響を及ぼすことが示された。ユーザーの快適さ、リラックス感、落ち着き、癒し、楽しさが向上したが、イライラや不快感には影響がなかった。
実験2では、振動触覚フィードバックがASMRの体験を高め、ユーザーの快適さ、リラックス感、楽しさを増強することが明らかになった。また、振動触覚フィードバックはASMRの傾向を高め、VR内のアバターへの没入感を高めることが示された。ただし、強すぎる振動は逆効果になる可能性があり、穏やかで線形的な振動が好ましいことが示唆された。
全体として、本研究はVRを用いたASMRの体験が精神的健康の向上に寄与し、振動触覚トリガーがASMRの体験を高める可能性を示した。今後、心理療法の分野でも振動触覚デバイスの活用が期待される。
Stats
快適さの平均値は、振動触覚デバイスあり(7.65)、なし(6.35)で有意な差があった。
リラックス感の平均値は、振動触覚デバイスあり(8.20)、なし(6.75)で有意な差があった。
楽しさの平均値は、振動触覚デバイスあり(8.00)、なし(6.40)で有意な差があった。
ASMR-15スコアの平均値は、振動触覚デバイスあり(54.55)、なし(45.65)で有意な差があった。
アバター没入感の平均値は、振動触覚デバイスあり(5.13)、なし(4.00)で有意な差があった。