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新生CD4+ T細胞の機能的バイアスの確立における胸腺樹状細胞由来IL-27p28の役割


Core Concepts
胸腺樹状細胞由来のIL-27p28は、STAT1関連のエピジェネティックメカニズムを介して、新生CD4+ T細胞のIFN-γ産生に対する機能的バイアスの確立に重要な役割を果たす。
Abstract
本研究は、新生CD4+ T細胞の機能的バイアスの制御メカニズムを明らかにしたものである。 主な知見は以下の通り: Cd11c-p28f/fマウスの新生CD4+ T細胞は、野生型と比べてIFN-γ産生が著しく増加しているが、IL-4産生には変化がない。この現象は、CD4単陽性(SP)胸腺細胞、最近胸腺から遊出した細胞(RTE)、および未熟な naive T細胞の段階から観察された。 Il27ra欠損マウスの CD4+ T細胞でも同様の表現型が認められたことから、この現象は胸腺樹状細胞由来のIL-27p28-IL-27Rα経路を介したものであることが示された。 Cd11c-p28f/fマウスのCD4SP胸腺細胞では、Ifng遺伝子座のDNAメチル化の減少とH3K4トリメチル化の増加が観察された。一方、Il4遺伝子座には変化がなかった。 Cd11c-p28f/fマウスのCD4SP胸腺細胞では、STAT1標的遺伝子の発現が全体的に上昇しており、STAT1のリン酸化も亢進していた。STAT1はIfng およびTbx21遺伝子座に強く結合し、H3K4トリメチル化と相関していた。 Aire欠損マウスにCd11c-p28f/fを掛け合わせると、自己免疫表現型が顕著に悪化した。一方、Cd11c-p28f/fマウス単独では自己免疫は発症しなかった。 以上より、胸腺樹状細胞由来のIL-27p28は、STAT1の活性化を抑制することで、新生CD4+ T細胞のIFN-γ産生に対する機能的バイアスの確立に重要な役割を果たしていることが示された。この機能的バイアスは、自己反応性T細胞の末梢寛容誘導に寄与すると考えられる。
Stats
CD4SP胸腺細胞、RTEs、naive T細胞におけるIfng、Il4、Il2の mRNA発現レベルは、Cd11c-p28f/fマウスで有意に上昇していた。 Cd11c-p28f/fマウスのCD4SP胸腺細胞、RTEs、naive T細胞におけるIFN-γ産生は著しく増加していた。 Cd11c-p28f/fマウスのCD4SP胸腺細胞では、Ifng遺伝子座の-53、-34、+16番目のCpGサイトのDNAメチル化が有意に減少していた。 Cd11c-p28f/fマウスのCD4SP胸腺細胞では、Ifng およびTbx21遺伝子座のH3K4トリメチル化が増加していた。 Cd11c-p28f/fマウスのCD4SP胸腺細胞では、STAT1のリン酸化が亢進しており、Ifng およびTbx21遺伝子座への結合が増加していた。 Aire欠損マウスにCd11c-p28f/fを掛け合わせると、自己抗体産生、組織への炎症性細胞浸潤、制御性T細胞の減少が顕著に悪化した。
Quotes
"CD4SP thymocytes and RTEs exhibit a reduced proliferation capacity and decreased production of interleukin-2 (IL-2), interferon-γ (IFN-γ), and tumor necrosis factor α (TNF-α) compared to mature naive T cells. However, they show increased secretion of IL-4, which is known as T helper (Th) 2 bias in immature T cells." "The low level of IFN-γ production in RTEs renders them more prone to becoming regulatory T cells, which also helps to prevent the induction of autoimmune diseases." "Elevated levels of IL-27 are associated with the pathogenesis of autoimmune diseases such as ankylosing spondylitis (AS), behcet's disease (BD), and experimental arthritis."

Deeper Inquiries

新生CD4+ T細胞の機能的バイアスの生理的意義はどのようなものか?

新生CD4+ T細胞の機能的バイアスは、自己抗原に対する過剰な免疫応答を避けるために重要な役割を果たします。Th1サイトカインの過剰な産生を抑制し、Th2サイトカインの産生を促進することで、自己反応性T細胞が適切に反応し、自己抗原に対する過剰な炎症反応を防ぐのに役立ちます。このバイアスは、自己免疫疾患の発症を抑制するために重要です。

新生CD4+ T細胞の機能的バイアスの生理的意義はどのようなものか?

IL-27p28の発現異常が関与する可能性のある他の疾患はあるか? IL-27p28の発現異常は、自己免疫疾患や炎症性疾患など、さまざまな疾患に関与する可能性があります。IL-27p28は、Th1/Th2バランスや免疫応答の調節に重要な役割を果たすため、その異常は自己免疫疾患の発症や進行に影響を与える可能性があります。例えば、関節炎や炎症性腸疾患などの自己免疫疾患において、IL-27p28の異常が関与する可能性が考えられます。

新生CD4+ T細胞の機能的バイアスの生理的意義はどのようなものか?

IL-27p28以外の因子が新生CD4+ T細胞の機能的バイアスの制御に関与している可能性はないか? IL-27p28以外の因子も新生CD4+ T細胞の機能的バイアスの制御に関与している可能性があります。例えば、IL-27Rαや他のサイトカイン受容体、転写因子、エピジェネティック修飾因子などが考えられます。これらの因子が協調して作用し、新生CD4+ T細胞のTh1/Th2バランスを調節している可能性があります。さらなる研究が必要ですが、IL-27p28以外の因子が新生CD4+ T細胞の機能的バイアスに影響を与えるメカニズムを解明することが重要です。
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