Core Concepts
バイザンチン分散システムでは、正常なエージェントと不正なエージェントが混在するため、従来の知識モダリティでは不十分である。希望モダリティを導入することで、通信の情報的内容を適切に表現できる。
Abstract
本論文では、バイザンチン分散システムにおける知識と通信の論理的分析について述べている。
従来の分散システムでは、エージェントの知識をKripkeモデルに基づくS5論理で表現してきた。しかし、完全にバイザンチンなエージェントが存在する場合、メッセージの解釈が困難になる。なぜなら、不正なエージェントは任意のメッセージを送信できるため、受信したメッセージの真偽を判断できないからである。
そこで著者らは、知識モダリティに加えて希望モダリティを導入した。希望モダリティHiϕは、エージェントiが正常であれば、ϕを知っていることを表す。これにより、バイザンチンエージェントからのメッセージの情報的内容を適切に表現できるようになった。
さらに、正常/不正という二値的な区別だけでなく、より複雑な通信状況を扱うため、信仰モダリティを提案している。信仰モダリティは希望モダリティを一般化したものであり、エージェントの型が複数存在する場合の通信を表現できる。
本論文では、これらの新しい論理的枠組みを用いて、バイザンチン分散システムにおける知識と通信の分析を行っている。
Stats
正常なエージェントが少なくともf+1人いれば、その集団の相互希望EHGϕはϕを保証する。
Byzf := ∨G⊆A,|G|=n-f ∧i∈G ¬Hi⊥