Core Concepts
動的なプライマリユーザーの検出性能を向上させるため、過去のエネルギー検出値のうち現在の状態に高く相関するものだけを集約する修正加重順次エネルギー検出器を提案する。また、プライマリユーザーの状態を推定するための期待値最大化アルゴリズムを開発する。
Abstract
本論文では、動的なプライマリユーザーの検出性能を向上させるための手法を提案している。
まず、従来の加重順次エネルギー検出器(WSED)では、観測窓内の全てのエネルギー検出値を集約していたが、提案する修正WSED(mWSED)では、現在の状態に高く相関するエネルギー検出値のみを集約する。
しかし、実際にはプライマリユーザーの状態は未知であるため、期待値最大化(EM)アルゴリズムとビタビアルゴリズムを組み合わせた手法(EM-Viterbi)を開発し、観測窓内のエネルギー検出値から状態を推定する。
推定した状態情報をmWSEDに適用することで、動的なプライマリユーザーに対してより高い検出性能を実現できる。
シミュレーション結果より、提案手法であるEM-mWSEDは、従来手法のEDやWSEDに比べて、高動的なプライマリユーザーや緩やかに変動するプライマリユーザーの両方において優れた検出性能を示すことが確認された。また、ネットワーク内の平均接続数を増やすことや、SNRや1エネルギー検出値あたりのサンプル数を増やすことで、さらに性能が向上することが示された。
Stats
ネットワーク内の平均接続数Rが大きいほど、エネルギー検出値のコンセンサスにおけるSNRが向上し、プライマリユーザー状態の推定誤差が減少する。
SNRが高いほど、また1エネルギー検出値あたりのサンプル数Lが多いほど、EMアルゴリズムの収束が速くなる。